……確かに、今お酒が抜けているか確認したってことは、つまりはそういう答えを導き出すこともできるけれど。誠人君が、どういうつもりで私にさっきあんなことをしたのかが、私には分からない。
それでも、否定したくない私は、さっきよりもしっかりと頷いた。
「誠人君が好き、ホントに好きなの。 自分が自分じゃなくなるくらいすき」
こんな至近距離で、しかも誠人君に見つめられながら、こんな言葉を伝えるのは本当に勇気がいった。
けれど、昨日のことで私には少しの耐性ができたのか、素直に言葉にして伝えることが出来た。
もしかしたら、美月が力を貸してくれたのかもしれない。
そんな自分の成長と、誠人君へ気持ちを伝えられたよろこびに浸っていると、もう一度触れるキスを落とされた。
その行動の意味が分からずに目を丸くして言葉も出ない私に、誠人君は鮮やかに笑って、
「俺も春陽が好きだ」
……信じられない返事をくれた。


