あまりに予想だにしていなかったセリフを脳が処理しきれない。
だって、昨日確かに誠人君は私をそういう目でみたことがなかったと言ったはずだ。
それなのに“好き”って、……もしかして。
「……友達として好きって、こと?」
おずおずと、一番に思い当る答えを口にする。
最初の言葉を鵜呑みにするほど馬鹿じゃないし、そんな言葉を真に受けるほど伊達に誠人君の友達をやってきたわけじゃない。
でも誠人君は「違う」と間髪入れずに否定した。
「ライクじゃなくてラブのほうだ。 俺も春陽を独占したいし、触れたいし、そういう意味での“好き”だよ」
分かれよ、と苦笑いする誠人君。
いや、分かれよって言われても、信じられないのが当たり前じゃないだろうか。
だって、いままで、そんなそぶり、一度も……。
それでも嬉しくて。
もう、誠人君が好きって言ってくれたのなら、理由もなにもかもどうだっていい。
私は誠人君が好きで、誠人君も私を好きになってくれた。
それだけで十分だ。
だって断られると思ってた。
“ずっと友達でいよう”って言われると思ってた。
だから予想外の答えに、私はもうバカみたいに声を出して泣いた。


