「徹君。自分と仲間を信じて。大丈夫、
自信を持つんだ」
と柔らかく微笑んだのを見て、もやもや
が消えていく気がした。
そうだよな。やってもねえのに諦めてち
ゃ、駄目だよな。
それに五分五分ってだけで、こっちが完
全に分がわるいんじゃないんだし。
「……うん、ありがとう」
そう言って栄生くんに微笑んで見せると
、栄生くんも笑ってくれた。
だけど、現実はそう甘くなくて。
───残り、五分。
「守れー!」
「ディフェンスつけーっ」
得点は、二点差で城西リード。
それにボールは城西側で、攻められてい
るという場面だった。


