【完】キセキ~君に恋した時間~






「───え。いま、なんて?」



電車に乗って、城西に着き、城西に入る
前に皆で円になった所で、栄生くんの言
った一言に、冷や汗が垂れるのがわかっ
た。



思わず聞き返した俺に、栄生くんは真顔
で口を開く。



「だから、城西との試合結果を見ている
と今のところ勝率は50%だって言った
んだよ。それくらい、相手は強いんだ」




ご、50%……。



絶対勝つぞ、というさっきまでの意気込
みが、急に萎んでいくのを感じた。



そんな強いのかよ……。



「だから皆、気を抜くなよ」


『うっす!』




俺以外のメンバーが、活気よく返事をす
る。



だけど俺はどうしても、やる気が起きな
くなってしまっていた。



そんな俺を、栄生くんが見つめ、