美海が去っていった後をしばらく呆然と
見つけてから、俺は気の抜けたようにし
ゃがみこんだ。
「……あー……。マジか~……」
いや、嬉しいよ?
美海からそういってくれた事はすごく嬉
しい。でも……。
「すっげープレッシャー……」
初試合で、初スタメンで……更に初勝利
をつかみとれ、と。
……ほんと、美海はいつも無茶ぶりだよ
な……。
「───……勝つしか、無いよな……」
勝てばきっと、美海に近付ける。美海を
少しでも、救うことが出来るかもしれな
い。
美海の傷が癒せるなら……。
うし、と自分に気合いを入れてから、立
ち上がる。絶対勝ってやる。それに、栄
生くんたちだっているんだし。
ウチのバスケ部は、かなり強い方だし。


