本気になって後悔したりするのも嫌だか
ら、まだ様子を窺っているんだ、無意識
に。
いつか、心の底から楽しめたら───な
んて思っていたら。
「───……だ…岡田!」
「は、はいっ!?」
どうやら名前を呼ばれていたらしく、福
田さんの強めな声に、返事が思わず裏返
った。
そんな俺を、「プププ」と効果音が付き
そうな含み笑いで見てくる峯本をちょっ
と睨んでから、福田さんを見上げた。
「えっと……」
「聞いてなかったのか?」
「……スイマセン」
そう謝ると、ちょっと呆れたように息を
吐いた福田さんは、次の瞬間、とんでも
ない事を言い出した。
「だから、明日の練習試合は岡田に積極
的にボール回すから、お前はシュートし
まくれ!」
「……は…え?」
しゅ、シュートしまくれ??


