【完】キセキ~君に恋した時間~






そんなことに今さら気付いた所で、もう
どうしようもないけど───なんて、理
解出来るようになった当初は、他人事の
ように思っていたんだっけ。



だけど今は違うんだ。



そりゃ、救う、なんて大それた事、俺に
は出来ないかもしれない。出来るとも、
思ってないけど。



だけど放っておけば、悪化する。



美海との壁が分厚くなって、距離がどん
どん遠くなっていく。それがわかってて
、止めない馬鹿は居ない。



ほんとはそれを望んでいるのに。美海と
……他人との壁が出来るのを、望んでい
るのに。



美海のことになると、抑制が効かない。



壁が邪魔だ。ぶち壊してしまいたい、と
思う。



強気になってひた隠しにされている、美
海の心に触れたい、と思う。



なんだかんだ言って。



俺の、大事な幼なじみだから──。