君が僕の全てだった。 君が僕の世界の中心だった。 楽しいときも、泣きたいときも、心の中 にいたのはいつでも君でした。 忘れないよ。 君に出会えた奇跡。 君と歩んだ軌跡。 君に恋した、時間を───。 真っ青な快晴の空の下。 わずかに鼻腔を満たしていく、線香の独 特な薫り。 合わせていた両手を緩めて、ゆっくりと 目を開いたと同時に、何かが俺に突進し てきた。 「パパ―――っ!!」 「うおっ」