【完】キセキ~君に恋した時間~





ごめんね、って謝るみたいな笑顔──。



「ただの例え話でしょ。それに四六時中
、一緒になんて居られないでしょ」


「……そう、だけど」


「それにね、徹。永遠なんてものはどこ
にも無いんだから───……」



いきなり話が微妙にずれた事に俺は違和
感を覚えて、首を傾げた。



……美海?



「何かを失ったとき、ちゃんと現実を、
受け止めなくちゃいけないんだよ」



───ダメだ。



なんでかわからないけど、胸が苦しい。
苦しすぎる。



だから俺は、今すぐここから逃げたくて
、ガタッと立ち上がった。



「今日は……そろそろ、帰るよ」



ひきつってしまわないように微笑んで、
病室を後にしようとすると。



「───徹」