「美海、寝てても良かったのに」 「……眠くない」 ぶっきらぼうにそう言う美海。 俺はそんな美海をじっと見つめる。 「……なによ」 「や、なんでもない」 ただ、自覚したとたん、溢れてくるこの 気持ち。愛しい、気持ちと、甘い陶酔。 美海が好きだって自覚したら、なんか前 よりも美海が可愛く見えるかもしれない 。 ほんとは、もう去年の夏から好きだった のかな。 強くて、だけどどこか脆い美海に惹かれ てた。 ───守って、あげたくて。 だから、美海……。 どうかずっと、俺の傍に。