【完】キセキ~君に恋した時間~






これはいくらなんでも怖すぎる。



二人で並んで歩いていると、ふと、遠慮
がちに武野さんが口を開いた。



「あのさ……」


「ん?」


「岡田君、倉科さんと仲良いんだね」


「え?」



美海と?



きょとんとしていると、武野さんがハッ
としたように目を見開いてから、困った
ように笑った。



「あ、な、なにいってんだろね……!で
も…普通に泊まれちゃうくらい、仲良し
なんだな……って思って……」


「仲良し……かな?」


「仲良しだよ!今日だって岡田君、倉科
さんの心配ばっかりしてたし……。なん
か、私の入る隙間ないなあ、って」



はは、と渇いた笑いを溢す武野さん。



その笑顔がどこか、泣きたそうだった。