【完】キセキ~君に恋した時間~






美海の部屋は随分スッキリしていて、シ
ンプルな部屋だった。



「ちゃんとキレイにしてるんだな」


「どういう意味よ、それ」


「……」



わあ、口が滑った。



別に、美海がずぼらとかそういうんじゃ
なくて、ただ、すごい片付いてたからう
っかりそんな言葉が出た、というか。



背中に痛いほど突き刺さる美海の視線を
感じながら、誤魔化すように冷蔵庫へと
行き、中をみて絶句。



……なんもねぇ!!



空っぽ、といってもいいくらいなんもな
い。



唯一あるのは、水と、野菜ジュースと、
ゼリー飲料のみ。



「あの、なんも無いんですけど」


「あるじゃない。水と、野菜ジュースと
、ゼリー飲料」


「食材じゃないんですけど」