軽い宣戦布告とも取れるその言葉。



というか、初めからそうだとは思ってい
たけど、やっぱりこの子、徹が好きなん
だわ。



ほんと、モテすぎ。



どうせ無意識に、持ち前の優しさを振り
撒いてるにちがいない。



「彼女では、ないけど──」



でも、キスはした仲よ。



そう言おうとしたけど、やめた。張り合
う必要なんてないか。だって、徹はこの
子を"そういう"目では見てないから。



そっち方面には鈍感な徹の事だ。きっと
この子の気持ちになんて気付いてない。



「……いえ、何でもないわ。それより二
人はどうしてここに?」



そう言うと、それまで黙っていた徹が、
口を開いた。



「新しいバッシュを見に来てたんだ」


「ふーん。……部活、頑張ってね」