【完】キセキ~君に恋した時間~






たまらなく切なくなる、美海の声。



「美海……今、どこ?」


『……駅の、近く……』


「……え?」



駅の、近く?それって───。



──ドンッ……。



「……ここ、よ」



その意味を理解するよりも先に、背中に
受けた衝撃は───冷たくて。



冷たくて、冷たくて。──それが、怖く
て。



「美海……っ!」



その怖さから逃げるために、俺はあわて
て振り返り、冷えきった美海を腕の中へ
と抱き寄せた。



「……っこんなに冷えきって……」


「……いっそのこと…こうして消えちゃ
えばいいかもと、思ったの」



そんな。



そんな風に、言わないで。