-楓side- 「……んっ…」 目を覚ますと、 さっきまでの 温もりが感じられない。 …っ!? 「…翔司っ!?」 ハッとして、 身体を起こすが 横になっていた ということが 翔司がもう ここには居ないことを 明らかにしている。 「……翔司…」 翔司があんなに 涙を流す姿を見たのは 初めてだった。 翔司は泣き虫。 小さなことで泣く翔司だけど 泣きじゃくる という表現が合う、 そんな涙は 初めてだった。