「実は、その鷲尾奏がここに来てるのよ」

「ここって、この学校にですか?」

「そう、今校長先生や教頭先生と打ち合わせをしてるみたいだけど……」

「安曇、ちょっといいか?」

噂をすれば影。

清水先生が職員室に入ってきた。

「鷲尾さんがお前に会いたいそうだ」

はい!?

「わたしにですか?」

「すごい!安曇先生、もしかして鷲尾奏と知り合いなんじゃ……」

「違いますよ。鷲尾奏なんて名前、さっき初めて聞いたばかりです」

「鷲尾奏」という名前に心当たりがないので、清水先生に聞き返した。

「本当にわたしを呼んでるんですか?」

「ああ。俺も聞き返したんだから間違いない。それと、松澤先生にも挨拶をしたいそうだ」

「わたしにですか!?」

松澤先生はしばらくその場で呆然としていた。