「──これで文句ねーだろ?」 そう言った奏多は、 歩幅を合わせるという手段ではなく、 手を繋ぐという荒業にでた。 「は、はぁ…? こんなの、“幼なじみ”とすることじゃないし…」 「別にいいだろ。 たかが5分だ。」 たかが5分なら、歩幅合わせるか、勝手に帰るかのどっちかの選択のほうが妥当じゃないの? なんで、『手を繋ぐ』なの… ……嫌なんだってば… ……熱いんだってば…。 手が……顔が…… 一気に熱を帯びちゃうから…。