「ぎゃあっ!!
あ、ああアンタ、さっきまで女の子たちに囲まれてたんじゃ…っ!」
「囲まれたって関係ねーだろ。
俺はお前にタオル預けてんだから、お前のとこに真っ先に行くだろ、普通。」
「っ…!」
な、なんなの…
なんかそれって…『私が優先』って言われてるみたい…。
いや、タオル優先なんだけど。
「早くタオルを渡せ」
「相変わらずムカつく!」
さっきドキドキしたのは絶対何かの間違いなんだから!!
バシッとタオルを投げ渡すと、奏多はそれをキャッチして汗を拭いている。
頭からタオルをかぶり、奏多はしばらくゴシゴシと拭っていたのに、
いきなり、ピタリと手を止め、
「……穂香」
私とは視線を合わせず、呟いた。
え…今、私の名前呼んだの?