やっぱり居るしかないのか…。
壁にもたれかかって、ぼーっと試合を見ていると…
「……わあ…っ!」
奏多がシュートをいれた。
その後、奏多はチラッとこっちを見て…
『見てんなよ、バーカ』
口パクでそう言うと、べーっと舌をだした。
な、何が見てんなって!?
アンタが見てろって言ったんでしょーが!!
ムカつく!
やっぱ帰ってやる!
そう思って、タオルをその場に捨て、アリーナを出ていこうとすると、
「ざっけんな!!」
キレたような、そんな声が私に届いて、
ダダッとすごい足音が近付いたかと思うと、
グイッと腕を引っ張られた。



