だいたい、奏多だって私のことが嫌いだろう。
あんなバカ男に片想いなんて、そんな虚しさ極まりないことを誰がするか。
てか、好きになる要素なんてどこにもないし!
あんなの嫌いにしかならない。
「でも、蒼間くん、寂しそう…」
「奈々…アレのどこを見てそんなこと言ってんの?」
「え?だってそう見えたけど…」
「アイツが寂しそうとか想像出来ないし!」
想像しただけで気持ち悪。
「そっかぁ…蒼間くんも可哀想…」
「え?
奈々、なんか言った?」
「う、ううん!なんでもないよ!」
変なの。
「さてと!
そろそろDVD見ようか!」
「うん。」
それから私たちは借りてきた恋愛映画を見たのであった……────。



