土曜日ということもあるし、制服で行く必要もなかったから、
黒のワンピースに、白のカーディガンを羽織って、家を出た。
そんな気合い入れる必要もないし、これでいいでしょ。
なんて考えてる間に、奈々たちに引っ張られて奏多の高校にむかった。
そうして、家から5分くらい歩いて奏多の高校に着く。
やはり家からとてつもなく近かった…。
「球技大会へようこそ!
どちらの種目を見学なさいますか?」
校門には看板を持った女の人がいて、私たちににっこりと笑顔をむけた。
………って、どの種目?
奏多って何やんの?
「あ、バスケを見に来たんですけど」
私の考えを察したのか、それともただこの人の質問にはオレが答えるぞ!って意思の表れなのか、
そう口にしたのは、碧くんだった。
「バスケですね。
体育館の2階の、アリーナでやってます。
あちらに看板を持った方がいると思うので、
そちらにどうぞ」
「ありがとうございます」