────放課後。
結局、穂香が今朝帰る時間を教えてくれなかったから、碧に連絡するように頼んだ。
そしたら……
『あー、穂香ちゃんなら、
また廣瀬くんといたよー。
なんか楽しそうだったから、入る隙なんて全っ然なし』
なんて電話をよこしてきた。
……楽しそう?
………ムカつく。
ふざけんな、廣瀬ってヤツ…。
「で、まだ学校出てねーの?」
『うん、ずいぶん話し込んでるよ』
クソ……朝言ってた通り、話してんのかよ…。
『いーじゃん、今日は諦めなよ。
わざわざ穂香ちゃんと帰る時間合わせて
“偶然だな”って言う段取りが手に取るようにわかるんだけど』
「え」
バレバレ?
『そんななら素直に会いに行きなよ』
「だから、わざわざ会いに行ったらまた文句言われるから…、
だから偶然を装おうと…」
『はいはい、ストーカーかキミは。』



