「まあ…図星だよ」
「そっかぁー、奏多好きなヤツいんだー。
しかも他校かー。へぇー」
淡々とした口調で、何故か、気持ち大きな声でそう言った岸谷。
それはまぁ…ホントに無駄に大きな声だったわけで…
クラスの女子たちが、チラチラとこっちを見てる気がした。
え、もしかして全部聞こえたんじゃ…
「な、なぁ、今の…」
「あははー、クラスの女子みんなショック受けてるー(笑)」
教室を見回しながら言った様子からして、さっきのはやっぱりわざと大きな声で言ったんだということがわかった。
しかし…さっきの発言は…腹黒い…。
『ショック受けてるー(笑)』って、酷くね?
「岸谷…」
「ぷくく…おもしれー。
ん、何?奏多」
「……何でもねー」
知らなかった岸谷の一面を見て、俺は苦笑いしか出来なかった。



