こういうの、母性本能をくすぐるっていうか…
こう…キュンってする。
「あ、そろそろ日が暮れてきた…。
……もう帰る?」
「え?あぁ…そうだね!
帰ろっか!」
やば…ちょっとみとれちゃってた…
近くで見ると…ホント整った顔してるんだよね、廣瀬くんて…
「自転車置き場まで一緒に行こ?」
「うん。」
鞄を持って、二人で教室を出る。
廣瀬くんの隣に並んで歩くってことが、
今さらだけど、なんだかくすぐったく思えた。
校門を出たらすぐにお別れだから、出来るだけ喋ろうとゆっくり自転車の準備をしていると、
「穂香ちゃん、あのさ…」
「ん?」
同じくゆっくり準備していた廣瀬くんが、人さし指で頬をポリポリと掻きながら呟いた。



