今度は私から、奏多に抱きついた。



奏多は何も言わずに、抱きしめ返してくれて。




「──愛してるよ、穂香」




耳元で囁かれた言葉に、ドキドキする心臓を抑えることも出来ず、




「奏多っ、大好き…っ!」




ただ、この幼なじみの彼の隣に、ずっといたいと思った。




理由なんてない。



ただ、いつの間にか好きになってた。



私が彼の愛に気付いたのが、遅かっただけ。





だって彼の愛し方は、



とてもわかりづらい、




『意地悪な愛し方』なのだから。





.*END*.