「そういや穂香、
お前の部屋に、廣瀬放ったままじゃね?」
「あ」
そういえばそうだった。
大和のことすっかり忘れてた…。
どうしよう…。
あんなことされた手前、会いづらい………
「俺も行くよ」
「え…?」
「襲われかけたら、俺が助ける。」
「お、襲われないからッ!!」
あれは不意討ちでやられたから、ちょっと抵抗出来なかっただけで……
気を付けてれば大丈夫だもん!
「………でもアイツと穂香が二人きりになるのヤだから、
絶対俺も行く」
「……っ!」
ふ、二人きりになるのが嫌って……
「ヤキモチ?」
「………っ、なんでそこだけは鋭いんだよ…。」
真っ赤になった奏多は、手の甲で口もとを隠してそっぽ向いてしまった。