「ちょ…」 手を引かれるがまま、やって来たのは、 お向かいの奏多の家の、奏多の部屋だった。 「ねぇ…っ、かな……っ!!」 奏多が部屋の扉をバタンッと閉めると、 私をベッドに座らせた。 「奏多…?」 ずっと俯いたままの奏多に声をかけると、 奏多は私の手をギュッと握った。 「……」 「奏多…? ど…したの?」 「……」 なんで、何も言わないの? もう会わないって…奏多から言ったくせに…。