「……穂香は、気持ち伝えたの?」 「出来ないよ……。 あんなに嫌われてるんだもん。言うだけ無駄だよ…。」 「そんなのわかんないじゃん」 「もう、いいの…。 ……もう、終わったことだから…。」 ゴシゴシと制服の袖で涙を拭い、 大和を置いて自転車置き場をあとにした。 だから私は、 「……まだなにも終わってないよ」 大和がそう呟いていたことなんて、知らなかった。