何も言えずに俯いていると、



廣瀬は俺にタオルを渡してきて。




「ご、ごめんね…
麦茶無駄にしたあげく、汚しちゃって…」



「別にそんなのどうでもいい…
タオルもいらねぇ。お前、もう帰れよ…」




コイツが余裕そうなのがムカついて、



グッと廣瀬を押し退けて、自分のタオルを取った。




「奏多くん…」



「……一人にしてくれ…」



「……うん、わかった。
ホント、突然ごめん、ホントごめん!」




ペコッとお辞儀した廣瀬は



そのまま『お邪魔しました』と言って家を出ていった。