「かな…「なにしてんだよ」
冷たい視線を向ける奏多に、ビクッとしてしまって…
絡まっていた視線を、パッと逸らした。
「なあ穂香、
もう花火始まってんだけど」
「……あ」
「……約束破って、そいつと抱き合ってさ、
なんなの、マジで」
「ち、ちが…」
「なにが違ぇんだよ。
……んだよ…もうデキてんのかよ」
「で、デキ…?」
「……もういい。
……帰る。」
拗ねたような、泣きそうなような、
一瞬、そんな顔をした奏多は、
それを誤魔化すかのように私を冷たく睨み付け、
バンッ!!と教室の扉を叩いて、走り去った。