『待ってる』



───携帯が、震えてる。



きっと、いや絶対、奏多だ。



でも、大和に抱きしめられてるせいで、



それを取ることが出来ない。



かと言って、ここで大和を拒否したら……



大和は……───




「……っ…」




どうすればいいの?



私は……───。






───ガラッ!!





その時、



勢いよく教室の扉が開いて……










「なに、してんだよ…」




はぁ、はぁ…と、



息を乱した奏多が、そこにいた。