いつになく、大和は真剣な表情で。 断ることなんて出来なかった。 ───…奏多との約束もあるのに…。 ────────── ───── 「よっしゃー! 片付け終了っ!!」 「早く花火の場所とりしよーっ!!」 後夜祭の、花火の場所とりをしたいらしいみんなは、 片付けが終わると共に、一斉に教室を出ていった。 「廣瀬くんと篠宮さんは? 行かないの?」 「あー…私たちはまだいいや!」 「そっか」 一人、気にかけてくれたクラスメイトの子に そう伝えて、 私はそっと、教室の扉を閉めた。