ていうかどうしよう…。
今お取り込み中みたいだし…呼ばない方がいいのかな?
知らないフリして教室に戻ろうとしたら。
「おい、ア穂香」
フードのうさみみをグインッと引っ張られて、フードが捲れた。
引っ張ったのは、もちろん奏多。
「ア穂香じゃないし!
なに、お取り込み中じゃないの?」
「取り込み中って、
向こうが勝手に寄ってきただけだっつの。」
本人たちに聞こえるくらいの声で、奏多はそう言った。
はわわ…っ!
あの人たちめっちゃこっち睨んでる…!!
「でも…話してたから…」
「だからって俺を無視すんな。
もう空いてきたんだろ?
中入りたい。」
「あ、うん…」
ズカズカと教室に入ってく奏多。
全く…態度のでかさが行動にも表れてるよ…。