《奏多SIDE》
「楽しみだなー、
穂香ちんの高校の文化祭!」
「……あぁ。」
「オレも誘ってくれてありがとよ」
「うん、まぁ、別に。」
「んだよ~、上の空~。」
電車に揺られながら、岸谷は俺の頬をツンツンしてきた。
「あぁ、うん」
「奏多~、そこは怒るとこな。」
「あぁ、うん」
「……はぁ~」
岸谷に盛大に溜め息を吐かれた。
……だって仕方ないだろ
穂香が誘ってくれたなんて…まだ夢じゃないかって思ってんだから…。
「招待券とかあるんだなー。
2枚貰ってくれてありがとよ」
「あぁ、別に」
一人じゃ可哀想だから誰か呼べって、碧が勝手に寄越してきただけだし。