「弁当の卵焼き、岸谷に一切れ食われたからさ、 ちょうどよかったかも」 「いや…お弁当の方が絶対美味しいし…」 「でもどっちも穂香が作ってくれたものだから、 ──俺にとっては……どっちも同じ。 あ、良い意味でな」 ……え…? 「ごちそーさま。 美味かった。」 って、食べるの早っ!! 「じゃあな。 もう帰るわ」 「あ……うん。」 奏多は目を合わせずにそう言うと、 さっさと私の家を出ていった。