「……言うほど酷くねーじゃん。」
「酷いよ!
この辺とか真っ黒だし……
上手く巻けなかったし……」
「焦げてんの表面だけじゃん。
卵焼きの原型残ってるし、全然大丈夫だろ。
俺もっと、灰みたいなの想像してた。」
「そこまでは酷くないけどさ…。」
「こんなんなら全然食えるし。
食っていー?」
「……後悔しても知らないからね…。」
なんて言ったのも束の間、
奏多はまるでおつまみを食べるかのように、
卵焼きを手で1切れつまんで口にいれた。
「ん、美味い」
「いいよ、無理して誉めなくても…」
「本音なんですけど」
その後もハイスピードでパクパク食べていく奏多。
え、ホント…大丈夫かな…?



