「じゃあそれ、
───俺が食ってもいいの?」
────え?
「え、いや…っ
お弁当に入れたヤツとは比べ物にならないくらい失敗してて…っ!」
「そんなの気にしねぇ。
で、食ってもいいわけ?」
「いいけど…っ、で、でも…っ」
「焦げてるのなんか気にしねぇから、
俺が食ってやろーか?」
「でも、悪いよ…っ
いくら奏多といえど、あんなもの食べさせるわけには…っ」
「あんなものって、そんなにひでーのかよ…」
「見てみたらわかるよ。酷いから…」
実際に見せた方が話が早いだろうど思い、
私は冷蔵庫にいれてあった、失敗した卵焼きを奏多の目の前に突き出した。



