スクールバッグをリュックのように両肩にかけて歩きだし、 家の前まで歩いてくると、 「あ、奏多!」 予想もしなかったことに、穂香の方から声をかけてきた。 「何?」 「あの…お弁当……」 あぁ、早く弁当箱返せって? そんな焦んなよ。 もっと話してぇの、こっちは。 「弁当箱なら、洗って返すから」 「そ、そうじゃなくて…」 「?」 そうじゃない? ん? 他に意味が?