「じゃあ…私もかえ…」
穂香が、そこまで言ったとき、
穂香が急に『うっ…』と口を押さえて。
「奏多……トイレ貸して…っ」
「え……」
俺の返事も待たずにトイレへ駆け込んだ穂香。
ドアが開きっぱなしになってたから変だと思ったら……
「……うっ…おぇ…っ」
……穂香が、吐いた。
「お、おい…大丈夫か!?」
「……うぇ…っ……はぁ…はぁ……」
やっぱり…具合悪いんだ。
いきなり吐くなんて、どこか悪いんじゃないのか?
「うっ……ひっく……」
「苦しいのか?
どっか痛い?」
泣き出した穂香の背中をさすってやりながら聞くと、穂香はふるふると首を横に振った。