雨の中、叶斗くんと2人、帰り道を歩く。

歩くたびに、ドキドキと高鳴る鼓動。雨音と心音、どちらが大きいのかわからないくらい。

チラリと横を見ると、すぐ隣に傘を持つ叶斗くんの姿。


ちょっとでも近付いたら…触れ合う距離に今にも心臓がおかしくなりそう。

というか、さっきから何度か微妙に肩が触れ合ってはいる…。
そのたび、ビクリと反応する体。


…この状況は、もしかして、もしかしなくても、相合い傘…だよね?

だよね?って…そうだよ!
もうこの問いかけ何度め?
この数分の間に、自分自身に何度問いかけた?このままエンドレスに続けるつもり?

大体にして…帰るときになって相合い傘に気付くなんて、私バカかも…。

よくよく考えたら…ううん、考えなくても普通わかるよね。
最初から傘は1つしかなかったんだから。


一緒に帰る=相合い傘。


こうなることは必然的に予想できたはず。

ほんと私って…バカすぎ。
自分のバカさ加減に、イラつきを通り越して、呆れてしまう…。