.゚*Milky Way*゚.

少しすると、ファミレスが見えてきた。

雨の中でもファミレスはいつもと変わらずあたたかな光を灯していて、その明るさに…なんだかほっとした。


だけどすぐに、緊張が私を襲う。

どうしよう…来たのはいいけど…いざとなると足がすくんで…中々動けない。

でも今日はちゃんと目的がある。
傘を返すという目的が。
ただ叶斗くんに会いたくて来たのとは訳が違う。


一歩一歩…ファミレスに向かい足を進める。そのたび鼓動が早くなるのがわかる。

……緊張してる場合じゃない、緊張してる場合じゃない。

そう自分に言い聞かせながら、ガラス越しに見える店内をチラリと覗いてみた。


…………。


叶斗くんの姿は…ない。

やっぱり、もう帰っちゃったのかな?

ううん、見えない場所にいるのかもだし、厨房にいるのかもしれないし…。

とりあえず…お店に入ろう。

入り口の前まで来ると、私は深呼吸をした。

ほんとに、どれだけ緊張してるんだろう…。


大丈夫、大丈夫…。
よし…行こう。

傘を閉じ傘立てに入れると、私はお店へ足を踏み入れた。