放課後。


「はぁー…」

ホームルームが終わり、クラスのみんなが帰り始める中、私は大きな溜め息と共に机にうなだれた。


今日は、疲れた…。

叶斗くんの前で、あんな恥ずかしい姿…。

ぼんやりしてる子って思われちゃったかも…。


「はぁー…」

また大きな溜め息をつく。


「お疲れですか?」

「あ…聖愛ちゃん」

ニコリと優しい微笑みを浮かべ話しかけてきたこの子は、有栖川聖愛(ありすがわせいら)ちゃん。

私の大事な親友。

お父さんが大手会社の社長さんで、正真正銘のお嬢様。

おっとりしていて、優しくて、色白で…とっても可愛い女の子。


「あは…今日はちょっと失敗しちゃったからね」

「月ヶ瀬くんを見つめていらっしゃったみたいですし、ぼんやりするのも仕方ないですわ」

「…っ。聖愛ちゃん…」

「ばっちり見えてましたわよ」

「そ、そう…」

恥ずかしい…。