「綺麗だね」

星空の下、叶斗くんがぽつりと呟く。

ほんとに綺麗…。


こんな澄んだ気持ちで夜空を見上げたのは、いつぶりだろう?

思えばずっと…こんな気持ちになれなかった。

いつの日からか、夜が怖くて…嫌でたまらなくて…塞ぎこんでいた。


やっぱり…叶斗くんと一緒だからかな?

叶斗くんと一緒にいると、落ち着く。とっても、居心地がいい。


星空を見上げる、叶斗くんの横顔。

夜風が吹いて、叶斗くんの髪がサラサラと優しくなびいた。

ふわりと胸があったかくなる。


あ…そっか。だから私は…叶斗くんが好きなのかな。

単純に一目惚れだと思っていたけど、きっと私は無意識のうちに、叶斗くんの優しさに惹かれていたのかも。

もしかしたら…叶斗くんを好きになった瞬間から、安らぎを感じていたのかもしれない。

叶斗くんといると、優しい気持ちになれる。

叶斗くんを想っているときも、いつだって優しい気持ちが溢れてる。


そっか…そういうことか。
だから私は…叶斗くんを好きになったんだね。