二人で歩く帰り道。
ドキドキと、心音が高まる。


どうしてこんなにドキドキするのだろう…。

さっきだって、教室で二人きりだったし、今だってそれと同じこと。

なのに、何かが違う気がして、妙に緊張してしまう。


「あっ、星川さん、ジュース飲まない?」

自販機を指差し、叶斗くんが笑顔で言った。


「いいね。ちょうど喉渇いちゃって…」

それはきっと、緊張し過ぎてるせいだ。隣を歩く叶斗くんを意識し過ぎてるせい。


「何にする?奢るよ」

「えっ…悪いよ!むしろ私が奢るよ!手伝ってくれたお礼!」

「ありがとう。でも僕が好きで手伝ったんだから、ほんと気にしなくていいよ」

「でも…」

ジュースまで奢ってもらったら、さすがに悪い気が…。


「叶斗くん、ここは私に奢らせて?」

「星川さん…じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな」

「うんっ…!」