「やったぁ!終わった〜!」

全ての書類整理が終わり、私は思いっきり伸びをした。


「終わったね」

「うん!叶斗くん、ほんとにありがとう!助かったよ」

「全然気にしないで」

柔らかい笑顔を浮かべる叶斗くん。ほんとに叶斗くんは優しいな…。

でも、終わっちゃって…少し寂しい。二人きりの時間も、これで終わりだから。


二人で書類を持つと、教室の電気を消した。

真っ暗な教室。
もうすっかり夜だ。

また今日も…夜が来てしまった。
当たり前のことなんだけど、暗闇に包まれた教室を見つめていると…心がざわつく。


「星川さん…?どうしたの?」

「あ…ごめん。行こっか」

ダメだ…何ぼんやりしてるんだろ私。


職員室へ行き、先生に書類を渡すと、私と叶斗くんは学校の外へと出た。

ふと空を見上げる。
夜の空が、広がってる。


「じゃあ帰ろっか」

「えっ…」

これってもしや…一緒に帰るパターン?

そうだよね…?
絶対そうだよね!?

嘘…どうしよう!
心の準備が…。


「行こう」

「は、はいっ…!」

なぜか敬語で返事をし…私は叶斗くんの隣に並び、帰り道を歩き出した。