「暗くなってきたね」
「そうだね…」
返事をしながら、私は窓の外をチラリと見た。
いつの間にか窓の外はオレンジから紫へと変わっていた。
ほんの少し、寂しさを感じる空。
じっと見つめていると、胸がぎゅっと締め付けられた。
また今日も、夜がやってくる。
…真っ暗な夜は、あまり好きじゃない。
私はゆっくりと窓から視線をそらす。
「電気つけるね」
そう言って私は席を立った。
無理矢理作った笑顔。
相変わらず、私は作り笑いが上手だ。
電気がつくと、薄暗かった教室がパッと明るくなった。
その明るさに、安心感を覚える。
「叶斗くん、ほんと付き合ってくれてありがとうね…こんな遅い時間になっちゃって」
席に座りながら、叶斗くんにお礼を言う。
「全然。気にしないで。あと少しだし、頑張ろう」
「うんっ…!」
叶斗くんの笑顔、素敵だな。一瞬暗くなった気持ちが明るくなる。叶斗くんと一緒でよかった。
もし一人で作業してたら、きっともっと暗い気持ちになってたと思うから…。
暗闇に一人は…怖い。



