久遠と別れてから、香澄に差し入れをしようと考え、紗綾はじゃがバターなどを買って、教室に行ってみることにした。
 途中で一年生らしき男子生徒に声をかけられ、「後で絶対行きますから!」などと言われ、苦笑いするしかなかった。
 これは詐欺にはならないのだろうかと思うが、いざクラスに着けば、妙に盛り上がっている。

 カフェとは言っても飲み物やアイスなどを売っていて、中でも休憩できるようになっているが、持ち帰ることもできる。
 廊下に並んでいるのは男子生徒が多い。外で呼び込みをしているクラスメイトに声をかけて入れてもらえば、すぐに香澄を見付けることができた。
 仏頂面で机を拭いている彼女の頭にはなぜか耳が生えている。猫耳だ。