「さて、今日は文化祭の打ち合わせだよ」

 ある日の放課後、嵐は言った。
 また、この季節が来てしまったのだと紗綾は思う。

「何かやるんスか?」

 今年初めて参加となる圭斗は不思議そうに首を傾げた。

「一応、榊の担任にも話しておくけど、こっちに出てもらうからクラスの出し物は不参加ね」

 オカ研も文化祭には力を入れて参加する。
 それもまた義務というものなのである。
 一年にたった一度、オカ研が総力を挙げる日とも言えるのかもしれない。

「まあ、クラスには全然興味ないんでいいっスけど、何やるんスか?」

 圭斗の問いかけは見事に無視された。