「それでしばらくタイガーが慣れるまでの世話役を決めるが...タヌキでいいか?」


「何でまた私が」


タイガーは私がタヌキという人物だとするとあからさまに嫌そうな顔をした


「まあ、お前が一番合うかなと思ったからだ」


「はあ、まあいいですけど」


「じ、冗談じゃない!何でこの俺がこんな失礼なバカに教わらないといけないの?」


「あんたね、子供じゃないって言うならそんな駄々をこねるんじゃないよ」

溜息をつきながら言うと、タイガーはまた顔を赤くして怒り始めた。


「ほら、郷に入りては郷に従えという言葉があるでしょ、最初のうちだけだよ」


「........わかった」

非常に不服そうに呟いて寮長さんに席を勧められるがまま席についた。


「ご飯は食べてないんだよな?」


「はい」


厨房へ行き、タイガー用のご飯を持って机の上に置いた。


「ねえねえ、タイガーさんは前はどこらへんに住んでいたのですか?」


ウサミが話題を提供してくれたおかげで先ほどの空気に戻った。


「南の方...です」


「タイガーは何か趣味とかあるの?」


「あ、えっと...」


「ああ、言いたくないなら全然言わなくていいよ、それを詮索したりもしないし」


そう、そういう掟だから。


「じゃあ言いたくない」