「こんな朝早くから訪問客なんて珍しいですわね」
「キャッチセールスっていう時間帯でもないから、ご近所さんだろ、きっと」
私たちはそこまで気にした様子もなく食事を再開した。
「お前らに今日はプレゼントがある!」
威勢良くドアを開けて寮長さんは戻ってきた。
「商店街の一等くじですか?」
「家の改築費用が全額免除とかですか?」
「五億円」
「ペットさんがついに飼えるようになったんですね?」
それぞれがむちゃくちゃなことを言い始めると、いつもなら馬鹿が!と一蹴するのに機嫌が良さそうに不敵に笑った。
めちゃくちゃ怖い。
「新しいプレゼントはこいつだ!」
ジャーンと効果音がつくくらいの迫力で言ってドアから出てきたのは…
「こいつが、今日から入ることになった住人だ」
なんだかとっても可愛らしい子だった。
「あれ、寮長先生、小中学生って入って大丈夫なんですか?」
オヒツジさんが席を立ち上がってその子の近づいた。
180後半はあるオヒツジさんとその子を見ると、まんま子供と大人という感じだ。
「…………俺高校生なんだけど」
「「「「「え?」」」」」
全員の声が一致した。
そんな中でも寮長さんだけは声を抑えてひぃひぃ笑っている。
「何か文句でもあるわけ?」
彼は腕組みをしながら不機嫌そうに口を膨らませた
「ぷっ…」
私は耐えきれなくなって笑ってしまった。
こんな可愛らしい仕草をしている子供が私たちと同じ種族だと?
中学生、へたしたら小学生くらいにも見えるというのにか
笑いが止まらないよ
「………何、あんた」
ギロリと睨んでいるけど、子供が粋がっているようにしか見えなくてただのお笑いだ。
「ご……ごめん…だ、だって…ぷぷっ」
「な、何なの…!あんた何様のつもり?この俺に向かって笑って唯で済むと思ってるわけ?」
「だから謝っているじゃない…ご、ごめんって」
「うーーーーーーーーー」
地団駄を踏んで癇癪をおこした子供みたいになっている。
「はぁ、それでこれが新しい住人なわけだが、名前は何と言ったかな」
「う?あ…名前ね、寅島大河(とらしまたいが)」
「フルネームはいいや、呼んで欲しい名前と、誕生日とかだけで良い」
「よ、呼んで欲しい名前?いや…別に。誕生日は11月25」
「ふむ、そうか、じゃあタイガー。こいつは今日からタイガーだ」
寮長さんがそう言うと皆がわーと騒いで拍手をしたり口笛を吹いたりした。
そんな中タイガーは呆然とその様子を見ていた
